催眠療法は一体何をするのか?
心身の不調のメカニズムを説明する時、精神医学の分野では科学的医学的に証明できる、しかも見る事が可能な”脳”で説明し
心理学の分野では肉眼では見る事の出来ない”心”で説明する、、、というのが私の感覚です。
その見えない”心”を意識・無意識あるいは顕在意識・潜在意識と表現したりもします。
良く使われるのが氷山の図。
海から顔を出している氷山の一角を「顕在意識(意識)」と言い、海に沈んでいる部分を「潜在意識(無意識)」と言います。
見えている部分は約10~20%、海に沈んで見えない部分は約80~90%。
私たちは普段の生活の中では見ている部分の顕在意識(意識)を使っています。
考えたり、決めたり、目標を立てたり、空気を読んだり、、、etc.
人間社会で生きていく上で必要な部分。
逆に割合的には多いのに見えない部分である潜在意識(無意識)は感情、感覚、記憶etc.を司る部分。
海に沈んで見えない部分にはこの世に誕生してから”今”までの様々な記憶や体験、それらに紐づいているる感情・感覚が沢山蓄積されている訳です。
つまり、ネガティブな出来事・体験をすると、それらに紐づくネガティブな感情・感覚がセットになって潜在意識に入り込みます。
いわゆる嫌な記憶。
過去に起こった事は変えられません。
ですが、その起こった事、出来事・体験に紐づいている感情・感覚を変えたり、軽くしたり、認識を変える事は出来ます。
それを催眠療法という手法で行う場合、退行療法と言ってその時の自分に戻り、本当はその時どうしたかったのか、、、
本当はどう感じたかったのか、、、という本来の感覚・感覚を感じ取っていきます。
感情・感覚は潜在意識が司りますから、それら本来あるべきもの、必要なものが潜在意識に入り込みます。癒し、とも表現されます。
「嫌な記憶=ストレス」が軽減されると→「潜在意識が癒される=神経系がリラックスする」
神経系がリラックスすると「戦うか逃げるか」のような過度の緊張から解放される訳です。
長年に渡って親から辛辣な言葉を言われ続け、虐待され続ける。
教師や部活顧問に標的にされ理不尽な指導を受け続ける。
クラスメイトにいじめを受け続ける。
上司に毎日パワハラ、セクハラを受け続ける。
パートナーや配偶者にDVを受け続ける。
全て潜在意識にネガティブな体験・出来事=ネガティブな記憶として蓄積されていきます。
海に沈んで見えない部分なので厄介です。